ヴァーツラフのブログ

改名しました(2020/09/05)

オーストリアからお酒を個人輸入したという話

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※当記事は先日noteに上げたものと同じです

 

どうも、「ボヘミア王」ことヴァーツラフです。(9月に名前変えました)

今回はタイトルの通りのお話を、もしかしたら後に続く人が現れないかなぁと思い、その人のためにも自分の記憶の整理のためにも、体験談を書き残しておくことにしました。

 

 

オーストリア🇦🇹。小さいながらも名物の多い国ですが、私が殊の外大好きなのが、ヴァッハウ渓谷という地方の特産品であるアプリコット(杏)のリキュールです。今回はそれを製造元に直接ドイツ語でメッセージを送り、買ってしまいました。
ラのつく方と間違えないでください(圧力)


そもそものきっかけは前回2018年10月に行った第3次中欧旅行です。この旅行でウィーンのホテルからヴァッハウへ日帰り旅行をした私は、ここのアプリコットに魅力されました。

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ヴァッハウはワインの名産地でもありますが、アプリコット(オーストリアドイツ語でMarille マリレ)は本当に「風味絶佳」という表現が似合う逸品です。
オーストリアでは当然そのまま食べる、お菓子に使う、お団子に入れる、パンケーキに包む、ジャム(カイザーシュマーレンというちぎったパンケーキや、他にはシュニッツェルというカツレツに添えたりもする)、ジュース、リキュールなどの使い方をしているのを見てきました。
この日から私はアプリコットが大好きになったのです。

 

そして直接的なきっかけですが、2020年4月の台東オーストリアアンテナショップでした。
毎年4月に浅草の外れで1週間程度の開催が慣例化している臨時のお店で、今年は明日にも東京都が緊急事態宣言を出すという状況で行ってきました。

他にも色々買ったのですが、ここで買ったアプリコットリキュールが本当に美味しかったのです。当時財政難で800円の50mlの小瓶しか買えなかったのですが、大事に大事にちびちび味わって飲んでいました。

 

しかし9月になって財政が好転して思うようになったのです。
「これもっと欲しいな」と。
そして私はラベルに書いてあるBailoni(バイローニ)という社名でネットを漁ってみました。
しかし日本国内の酒屋と通販には扱いが無く、アンテナショップの運営をしていたアイン株式会社のページにも在庫の気配は皆無。
海外の通販サイトにも日本まで送ってくれるところは発見出来ませんでした。

 

「なら…直接Bailoniに訊いてしまえば良いのでは?私ある程度ドイツ語出来るし。」
そう思い私はBailoniのサイトを見て、お問い合わせフォームにドイツ語の文章を書いて送ってみました。

https://www.bailoni.at/shop/likoere/19/wachauer-gold-marillenlikoer
(※見ようとすると年齢確認が入るので、日→月→西暦と生年月日を入れてください)

 

「拝啓 私は日本の東京に住んでいて、少しドイツ語ができます。(※名前は別に記入欄があったので省略)
私は2018年にヴァッハウを旅してからオーストリアアプリコットリキュールが大好きです。
しかし日本国内の店には無く、日本に送ってくれる通販サイトも見つけられませんでした。
どうにか御社のリキュールが入手したいのです。助けてください! 敬具」


みたいな内容をドイツ語にして送りました。流石に辞書は使いましたが、Google翻訳は敢えて使いませんでした。

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2日後の9/15に待望のお返事が頂けました。
「お申し出ありがとうございます。0.7ℓと1ℓサイズがありますが、どれを何本欲しいですか?国外への発送は前払いのみです。また、税関で追加の費用が発生するかもしれません。」というような内容でした。

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これはつまり…🆗ってことですね!やったーーー!!! 

Bailoniはヴァッハウ渓谷のクレムス(Krems an der Donau)にある、まさに本場の会社。
クレムスはドナウ川クルーズの船着場があり、ウィーン北駅まで70分程度で行けます。

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ここで私は考えました。
個人輸入なら送料がアホみたいに高いはずで、1本でも2本でも大差無いはずです。友人を巻き込んで送料を分担出来ないかと目論みました。
しかし引き渡しまでに何かあって、お金を弁償しなければならない可能性もありますので、責任が取れるように巻き込むのは1人だけにすると決めました。
友人はこれを飲んだことが無かったのですが、生粋の中欧好きで好奇心旺盛で酒好きという人なのでOKしてくれました。
こんなに気が合う盟友と出会えるんだからTwitterはすげえや。


こうして私が1ℓを、彼が0.7ℓのを買う運びとなり、先方に送料を含めた見積もりを出すようお願いし、合わせて支払いにクレジットカードかPayPalが使えるかBailoniに問い合わせました。
なお彼が自ら不利となる送料折半を申し出てくれましたので、もしもの際は必ず全額弁償するからということで合意しました。

先方からの見積もりがこちらです。

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ドイツ語が分からない方でも、意外と大部分は意味を察することが出来るのではないでしょうか。
Marillenがアプリコットの複数形、Likörがリキュールです。
Versandkostenは送料です。
オーストリアはユーロを使う国。相場は当然毎日変動しますが、最近ではユーロから日本円に直す時は×125ぐらいです。
私は1ℓのと送料の半分を払うので、35.4×125=4425 この時の相場はこれより少し有利でしたが、負担する日本円はだいたいこのくらいです。

 

しかし支払い方法については、オーストリアのVolksbankのNiederösterreich支店の口座への振り込み以外は受け付けないという番号付きのお返事。
調べたところ、私が口座を持っているみずほ銀行は海外へ送金するには(送る金額に関わらず)8000円も必要とのことでした。

流石に高すぎる。品代と送料合わせたより倍近く高いぞふざけるな。(もっと大きい案件を想定した制度なんだろう)
https://www.mizuhobank.co.jp/retail/tetsuduki/gaikoku_soukin/index.html

 

そこで友人と相談して、Twitter人脈でウィーン在住日本人の方を頼ることになりました。

オーストリア国内からその方に振り込んで頂ければその高い手数料は発生しませんし、その方への支払いは円でお渡しすればいいだけです。
応じてくださったのが、こちらの ひょろ(@hyoroWien )さん。
元々向こうのミュージカル関係のネットショップを手がけていらっしゃる方で( http://www.wienmusicalworld.com/ )、事業用に日本にもオーストリアにも銀行口座があり、振り込みするされるはお手の物。以前もやり取りがあったので、DMを送ったところ、ご多忙にも関わらず、みずほ銀行よりだいぶ安い手数料で引き受けて頂けました。

その後はまずはひょろさんの日本側の事業用口座に私が振り込み、然る後ひょろさんが手筈通りBailoniに振り込んでくださいました。

 

そして私が配送に必要な住所を送りました。
この頃ちょうど9月の4連休で銀行が空いてなくて時間ロスがあったりしましたが。

 

 

しばらくしたらBailoniから郵便で発送したという連絡があり、伝票番号を教えてくれました。
なおこの間ひょろさんがメールで先方との間に入っていてくださいました。ありがたや。

 


そして2週間近く経過して、水曜日(10/15)についにブツが届きましたー!!

←私の1ℓのやつ 友人の0.7ℓのやつ→

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今までとは桁違いのサイズだふははは。(20倍)

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「税関からお手紙来て追加でお支払いや手続きかな〜、まあ日本の税関なら日本語だから大丈夫だろ」と思っていたのですが、何も無かったです。
調べたところ、荷物が10kg以下かつ個人利用だったので無税だったようです。
https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/kojin/3105_jr.htm

ここでひょろさんにお礼のDMを。

 

では…くぴ。

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おいしい!!!!!!!!

 

琥珀色の液体は豊かな香りかつ高貴な甘みで、まるでクリームでも入っているかのようにまろやか。(入ってない)


大概の嫌なことはじゅわっと溶かしてくれて、一時を甘美なものにしてくれます。変な混じり気を感じない本当に良いアルコールです。
30度ある割にはむわっと感がなく飲みやすく、とにかく甘いため、お酒初心者や女性にも良さそうだなと感じました。

 

 

いやーそんなわけで本当に良かったです。
友人には明日家に持って行ってそのまま宅飲みです。楽しみ。
まだ届いて3日ですが、既に数名に100均で買ってきた弁当用ソース入れを使って布教しています。
今回はひょろさんのお力が大きかったですが、本当にやってみれば出来るんだなと思いました。
Google翻訳先生を使えばほとんどどの国でも可能でしょうし…。

 


ちなみにこれはTipsなのですが、私は住所をドイツ語式と日本語式を併記して先方に送りましたが、ひょろさん曰く今回の場合Bailoniは日本行きであるということさえ知っていれば良いため、「Japan」以外は日本語のままで大丈夫だったそうです。(日本に着いてからは日本の業者が運ぶので)

 


皆さんもこんな感じで是非気に入ったお酒を取り寄せてみてください!
布教に成功すれば、いずれどこかの会社が扱ってくれて、安価で楽に入手出来るようになるかもしれません。
それが続いていけば本当に幸せで豊かな世界になるでしょう。自分も他人も。そうなることを願ってやみません。
好きな物事に本気になることが出来て、ほぼ植物状態だった時のことを考えると本当に嬉しいです。

 

では今回はこの辺りで!