HoI4二重帝国AAR⑦1940年
「あけましておめでとう」
「昨年はドイツのポーランド侵攻に合わせ、我が国はバルカン戦役を発動し、無事に平定しました。今年の我々は、ソ連の侵略の可能性に備えつつ軍備を拡張していかねばなりません」
「ソ連はM=R協定によって、帝国がルーマニアから獲得したベッサラビアへの請求権を持っている」
「実は確認したところ、ソ連はベッサラビアには請求権を持っていますが、始めから帝国領ガリツィア=ロドメリアやブコヴィナには持っていませんでした」
「えっ…つまり、初期の国境のままでいるか、ルーマニアをベッサラビアだけ残してリリースしておけばソ連との火種は発生しないようにMODは作られているということになりませんか」
「知らなかったんだ…これでソ連と戦争になるかも知れんから、対ソ戦の用意をしておくように」
「我が国も軍隊の主力をソ連との国境に配置していますが…ソ連相手には質量ともに劣勢と言わざるを得ません。彼我の国境の戦力差は大してありませんが、彼らはソ連赤軍のほんの一部でしか無いことは明らかです」
「そこで我が国も軍制改革をもって対応するつもりだ。新規部隊の徴兵の拡大、陸軍ドクトリンの強化に、さらなる既存師団の拡充を行う。さらに、今年中には新型の航空機が順次ロールアウトし始めるでしょう」
「それでは、緊迫の1940年スタートだ」
「1月10日、大日本帝国が枢軸に加盟した。これでもし対枢軸戦を始めるなら日本まで遠征しなければ戦争は終わらせられなくなった」
「どうやって日本まで行けばいいんですかね…」
「2月19日、原子力研究をスタートした。正直、原爆よりも研究所要時間-2%の方が長期的には強力ではないかと思う。まぁ核は大国の嗜みと思っているから、ちゃんと研究は進めるつもりだがな」
「実は、史実のアメリカでマンハッタン計画を担った学者には旧二重帝国領出身者が多くいます。オットー・ロベルト・フリッシュ、ジョン・フォン・ノイマン、レオ・シラード、スタニスワフ・ウラム、エドワード・テラーなどが挙げられるでしょう」
「だいたいがユダヤ人弾圧から逃れてアメリカに亡命した者だ。しかし、帝国が未だ存在するならこの研究者たちは祖国で働いてくれるのでは?MODで何かしら核で有利なことがあっても良いのではないか?と思う今日この頃だ」
「2月20日、それまでの軽戦車師団の編制を全面的に変更した。中戦車、自動車化歩兵、自走砲、自動車化ロケット砲兵を擁し、支援中隊には砲兵、工兵、偵察兵、整備兵、野戦病院を有する贅沢なフル装備装甲師団に生まれ変わったぞ。装甲化率は39%だ」
「なお、装甲軍の指揮官が攻勢ドクトリンを持っているので正面幅は22に設定しました」
「既存の軽戦車5個師団と騎兵2個師団は全てこの編制に変更し、生産ラインも全て新装備に変更しておいた」
「将来の実戦デビューが楽しみですね!それと、ついでに歩兵師団と山岳兵師団に補給部隊の支援中隊を加えておきました。帝国軍の兵站には万全を期しましょう」
「2月28日、エジプトのカイロがイタリア軍の手に落ちたようだ。アレクサンドリアも包囲し、イタリア軍はスエズ運河目前に迫っている」
「このイタ公やりますねぇ!」
「3月1日、ドイツがデンマークに宣戦布告。なおノルウェーにも既に宣戦している」
「人のことを言えた義理ではありませんが、奴らやりたい放題ですな」
「3月24日、司令部にアルフレート・フォン・フービキを迎えた。装甲師団がますます強力になるぞ」
「3月31日、日本が仏印に進駐しました」
「史実だと北部南部と分けて行っているが、ゲームではまとめてになっているな」
「4月21日、新型の戦闘機が完成しました!先の戦役で入手した空軍経験値でエンジンを改良した上で、大量生産を始めます」
「エンジンの強い飛行機は強い!鉄則ですな」
「あの、民需工場は15×3+αと既に充分な数に達しました。民需工場の建設を取りやめて軍需工場一本でいこうと思うのですが」
「えっ…じゃあ最後にボヘミアとハンガリー北部に1つずつだけ民需工場作らせて」
「まぁいいですけど、何故です?」
「ピルスナーウルケルとトカイワインの工場!」
「(腹パン)」
「オフッ!」
「なんであんたの好きなビールとワイン作るのに国家予算投じなきゃならねえんだ!」
「いいじゃん!どっちも帝国が世界に誇るお酒だよ!輸出品にも将兵の嗜好品にも最高だよ!」
「しょうがにゃいにゃあ…」
「7月19日、司令部にマクシミリアン・デ・アンゲリスを迎えました」
「効果は師団回復率+8%だ。戦闘での消耗から早く立ち直ってくれるという能力だから、どんな場面でも有効なものだな」
「さて、同日ふと気になってソ連の様子を見てみたのですが」
「ふむ、如何に」
「NF『ベッサラビアへの要求』を取得せず、『反資本主義外交』を取っていました。なおこのソ連、バルト三国にもフィンランドにも手を出していません」
「かなり綺麗なソ連だな?何にせよ、ウチに来ないというのは朗報だが」
「ベッサラビアの持ち主がルーマニアでないからなのか、その持ち主がソ連とのICや戦力の比で一定以上だからなのか、はたまた他に何かあるのかは不明ですが」
「よし、では敵意が無いというアピールに石油の不足分をソ連から輸入するようにしてみよう」
「気休めには良いかも知れませんね」
「ソ連との国境の状況はどうなっている?」
「…この前は我が軍とほぼ同数だったのを確認していたんですが、いつの間にかほぼ2倍まで増加しています…」
「35個師団対69個師団…ウ-ン(卒倒)」
「まずいですね…軍拡競争になったら人的資源でも工業力でも資源でも圧倒的に負けている帝国には勝ち目はありませんよ」
「かと言ってまだ戦争出来る準備は整ってないしなぁ…むむむ」
「ひとまず、可能な範囲で質量ともに向上させていきましょう」
「9月6日、北アフリカ戦線を覗いてみたら」
「イタリアが見事エジプト、スーダン、パレスティナ一帯を制圧し、イギリス軍をシナイ半島に追い詰め、フランス領シリア、レバノンに侵攻しつつありました」
「あっ…ドゥーチェが輝いて見える…」
「このイタリアは間違いなく有能です」
「9月19日、陸ドク『機械化攻勢』の研究が完了、戦術『電撃戦』が使用可能になりました」
「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!」
「中の人のドクトリンは電撃戦ですからね。テンションも上がるというものです」
「10月10日、新たに資源採掘系統の技術を研究し始めました」
「資源産出量が+10%される。輸入が嵩んできているし、帝国も鋼鉄、石油、アルミ、クロム、タングステン等の資源をそれなりの量保有するようになったから、見返りがあると判断した」
「11月10日、陸軍長官を訓練速度UPのツヴァイエンシュタムから陸軍移動力+10%のツェーナーに替えるついでに、ふとドイツのNFを覗いてみれば、なんと『ソ連との交戦』がちょうど完了するところでした」
「おお…」
「そして11月16日には独ソ戦の火蓋が切って落とされました」
「始まったか。しかし、なんでまたわざわざ冬のロシアに攻め込むのか…」
「HoIをある程度齧った者なら分かる話なのですが、数の問題さえ解決すればドイツのソ連に対する陸ドクによる質のアドバンテージは早い年度の方がより大きいですからね。この枢軸のAI、まるで肉入りのようです」
「一つ気になる点としては、リトアニアの生存や我が国の存在で、独ソの前線が史実よりずっと狭くなっていて、間違いなく両軍とも密度が高いことか。これは注目だな」
「ウチにとっては漁父の利を得られる美味しい戦いです。出来るだけ長くじっくりと絶滅戦争を楽しんでもらいましょう」
「お前趣味悪いな?」
「では、独ソ戦の前線を見ながら1940年を終わりましょう。まだミンスクすら落ちていませんな」
「結局帝国はソ連に宣戦されずに済み、独ソ戦が始まった。よって次は既定の方針通り、独ソ戦の戦局が決定的になり次第、手薄になったドイツ本国を奇襲する」
「問題はそれがいつなのか、ということだ。来年かも知れないし再来年かも知れないし、もっと後かも知れない」
「ひとつ気になったのですが、ちょうどクリスマス前後に突出し過ぎたドイツ軍が、後続と切り離されて包囲殲滅食らってました」
「これは…装甲や自動車化師団が犠牲になっているでしょうね…痛いですね」
「中の人はドイツ軍服持ってるくらいドイツ軍贔屓ですからね。心理的にダメージが大きい」
「なお、あくまでもオーストリア好きなのであってナチではないことを明言しておきます」
「それでは今年はこの辺でお別れとしよう」