Eiger中欧旅行記⓪
こんにちは、Eigerです。
今回は私が2017年6月21日から28日まで7泊8日の日程で行った中欧三国、オーストリア、ハンガリー、チェコへの旅行記を書いていこうと思います。
かなり微に入り細に入り長くなりますが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。
まず、そもそもなんでこの三ヶ国に行くのかというお話から(今回それだけで終わります)。それは私がオーストリア=ハンガリー帝国を愛しているからです。オーストリア=ハンガリー帝国は1867年〜1918年にかけてヨーロッパに存在した国です。ヨーロッパに燦然と君臨したハプスブルク家による約650年にもなる帝国の最終形態とも言うべき存在です。
…と言えば聞こえは良いですが、実際には過去の遺物。敗戦に次ぐ敗戦による妥協の産物であり、民族ごとに国を持つナショナリズムという当時の風潮に真っ向から反して「諸民族の牢獄」と呼ばれた時代遅れの多民族国家。オーストリアとハンガリーが2つで1つの国家「二重帝国」の内政は互いに自らの既得権の確保と足の引っ張り合いに躍起になり、戦争になっても盟友ドイツの足手まといになり敗戦し敢えなく帝国は滅亡し領土は八つ裂きに…というダメダメっぷり。
しかし、疎まれていたはずの帝国がいざ無くなってみれば、かつて帝国が存在した中欧やバルカン半島には恐怖と絶望の波に飲まれてしまいました。ヒトラーのナチスドイツやスターリンのソヴィエトロシアという人類最凶の双璧とでも言うべき国家に交互に蹂躙され、暴力と悲しみの嵐が吹き荒れました。帝国と同じ多民族国家であり、領域的にも重なる部分が大きかったユーゴスラヴィアの解体は、昔は同じ「臣民」「国家」だった諸民族を引き裂いて民族浄化という地獄を生み出しました。
確かに各民族の国が持てなかったという点では帝国は「牢獄」であったかも知れません。しかし、ドイツとロシアという二大国に挟まれている上に飛び抜けて有力な民族がいないという地理的な条件や、帝国が存在する内は内戦や虐殺など凄惨な事態が起こらなかったという歴史的事実は、むしろ帝国は諸民族を守り育んだ「ゆりかご」という側面があることも示しています。
また、帝国が存在する間の諸民族は「自治」は望みましたが「独立」を望んではいませんでした。諸民族にとり、自らに制約を課しつつも安全を保障してくれるハプスブルク帝国は厳父のような存在で、息子たる彼らは親の庇護なしには自らがドイツ、ロシア、イタリア、トルコといった四方の列強に瞬く間に飲み込まれ、今ある自らの自由度や立場といったものを損なうだけだとよく分かっていたのです。
内政に関しても、帝国の必ずしも効率的とは言えない体制でも、オーストリアの優秀な官僚は帝国各地に列強国として恥ずかしくないレベルの教育やインフラを齎し、文化を花開かせ人口の爆発的増加(1800〜1900年のブダペストの人口は約8倍増加)や地域ごとの強みを活かした産業の育成を享受させました。
特に音楽、絵画、科学、数学、哲学に関しては、19Cから20Cへの「世紀転換期」には世界史上に特筆されるべき発展が見られました。有名どころをほんの少しだけかいつまめば、音楽はシュトラウス(2世)、絵画はクリムト、哲学はフロイトといったところでしょうか。ウィーンの社交場たるカフェからは綺羅星のごとき輝きが放たれていたのです。
しかし、それもナチスのユダヤ人弾圧や、帝国の崩壊でウィーンの求心力が無くなったことで各地からの人材が散り散りになってしまい終焉を迎えます。もっとも、旧二重帝国出身の科学者らの多くはアメリカに逃れて、そこでマンハッタン計画というトンデモナイ物に欠くべからざる絶大な貢献をしたりしているのですが。
そんなわけで、失くしてから気付かされたところの多い二重帝国の多様性と哀愁のある魅力に大学2年生の時の私はコロッとやられてしまったのでした。それまでも小2から歴史好きで高1から世界史好きで高3から近代ヨーロッパが好きで、大学も史学科だったのですが、この時に読んだ『ハプスブルクの実験』という本を読んで二重帝国への恋に落ちました。
まぁ、突き詰めれば戦争ばかりのヨーロッパ史は面白くて、二重帝国って国名が厨二心をくすぐるじゃん?という理由にはなろうかと思いますが。
私は卒業論文を二重帝国で書こう!と決めて、二重帝国によるボスニア=ヘルツェゴヴィナの開発を取り上げました。
(※この文章を読まれてもお察しかとは思いますが、卒論はサークルで遊び呆けていたためにとても人様には見せられるものではないクオリティに仕上がりました)
そしたら断固卒業旅行にはオーストリアに行きたい!と思っていたところ、ちょうど近所のHISで「添乗員と巡るオーストリアハンガリーチェコ中欧3国7泊8日ツアー」(的な文言だった)を見つけて一目惚れし単身申し込みました(ついてきてくれるような恋人や友達がいなかったとも言う)。
この旅行が結果的に大当たり。2016年2月〜3月の第1次中欧旅行の一瞬一瞬は感動の連続で瑞々しく、一生の思い出になりました。
しかし4月は就職で、次にこんな旅行に来れるような自由はあと何十年になることやら…と思っていたのですが。
いや、それが案外早く来るもんですね。人生何があるか分からないものですね。
中欧の眩しい思い出を胸にウッキウキで入った会社はとんでもないブラック企業でした。
ひたすら頑張り責務を果たすことを強いられ、私は馬鹿正直な性格でそれを全身全霊を越えて励み続けた結果、たった3ヶ月で心身は完膚なきまでに破壊されました。
微熱、頭痛、腹痛や手足の痺れや目まいに動悸に息切れが収まらず、しょっちゅう猛烈な悲しみと吐き気に襲われ、極端な過眠/不眠になったり一時期味覚や集中力が無くなったりしました。
当初はこの体調不良を自分の自己管理の甘さと自分を責め大量にドーピングをしていました。が、もう手遅れになってから辿り着いたメンタルクリニックでは「君このままじゃ死ぬよ?」という言葉と「自律神経失調症と適応障害」という診断を受けました。それが今から1年前の6月末のことです。
超長時間勤務や深夜の不規則な勤務で、人の筋肉や内臓や感覚を司る私の自律神経系は致命傷を負っていたのです。苦しんだ末の自殺か、不調が引き起こす事故死か、はたまた心不全等の突然死か、どれがいつ真っ先に来るか分からないという状況でした。
それでも家族や友人や心ある同僚のサポートによりどうにか7月末に生きての退職に成功しました。
なおその心ある同僚の方もその数日後に勤務中に無理が祟り吐血して倒れ退職となっています(幸いすぐ恢復されましたが)。
ちなみにこの同僚の方が只者ではなかった。
当初私のことを「チェコやハンガリーが好き」とだけ聞いていて「東側陣営の方かな?」と誤解していながらも、私の私物入れのエコバッグの双頭の鷲を一目見るやハプスブルクの臣民と見抜き、歴史軍事ゲーム飲食の趣味が極めて近しい上に私よりもずっと博識で、私より5つ年上のその方は今や私がフランツ・ヨーゼフ帝と同じくらいに敬愛する「師匠」となっています。一瞬で打ち解けましたし、同じ地獄で苦楽を共にして、お互いの存在という唯一の戦果を得たという認識や互いにマニアックな趣味をしているという自覚からかけがえのない人同士となりました。
正直自分が女だったらプロポーズしてたくらいですね。
まぁ師匠はさておき、ボロ雑巾になった私にはもはや社会生活は不可能で、自宅でずっと寝たきりの生活でした。頭痛や動悸などから集中力や好奇心が湧かなくなったため読書や安定した睡眠やゲームすら不可能で、全身が痺れてほとんど身動きできず、横になって携帯でTwitterをするくらいしか出来ることがなく、何に対しても無関心になり、二重帝国や中欧を好きな気持ちすら忘れていました。抜け殻というか廃人ですね。80過ぎた祖母の方が余程元気ですよ。
しかし、徐々に調子が改善したことと「二重帝国臣民」としてのTwitterアカウントを保持し様々な交流や知見が得られたことで徐々に愛情は復活していきました。
そして2017年4月に、メンタルクリニックを変えたら新しいところで処方された漢方薬により痺れが消えるなど劇的に症状が改善したこと、そして同時期に診察を受けていた内科から内科的に内臓へのダメージが無いと分かったことにより、私の足は再びあのHISに、中欧に向いたのです。
時間はニートなので腐るほどあり、健康的にもとりあえず動けるまで回復し、金銭的にも幸い都合がついたこと(お金を遺してくれた祖父には土下座)から、もう私の中ではやることは一つでした。
そう、あの愛しの中欧へ再び。死地に瀕しても消えなかった恋を実らせにいく。それしかなかったのです。
こうして今回の第2次中欧旅行は決定しました。
さて、今回は前回と主要な行き先や日程、旅行会社や往復の航空会社こそ同じですが、前回が全部で30人くらいの添乗員さん同行のツアーだったのに対して今回は1人ぼっちの旅行、各都市間の移動が前回はバスだったのに対して今回は鉄道という違いがあります。
いやー、何から何まで手配して案内してくれて、ネットやガイドブックを読み漁ったりしても出てこないような情報がポンポン出てくる添乗員さんが神様みたいに思えますね。旅行が決定してから10週間くらい調べれば調べるほどその思いが強くなってきました。
今は成田→モスクワの暇な機内でこれを書き殴っていますが、9〜10時間かかるこの飛行機の時間は本当に苦痛なものですね。中欧に行けるからと分かってはいてもこれはなかなか耐えがたいですよ。
ほとんど寝たきりの生活を1年も送り、体力筋力の低下は極めて深刻ですが、最近はどうにか週1で通っているプールで500mをほぼノンストップで泳げるくらいにはなりました。
今はまだ薬を大量に飲んでどうにか日常生活が送れる程度で、睡眠薬を飲まないと眠れないなど体調的に万全とは言いがたく、疲労も鑑みると旅行には常に寝過ごしのリスクが付き纏います。現金も最低限だけでクレカも月々10万円までしか使えず、特急ならまだしも万一帰りの飛行機を乗り逃すと最悪その場で詰みという不安な状況です。
ですが、不安以上に感じる中欧へのこの胸の高鳴りを信じ精一杯楽しんでこようと思っている次第です。
さあ、いよいよモスクワ着です。大好きなめざせモスクワを流しながら突入します!
今回は旅行記とは名ばかりの内容になってしまいましたが、次回は旅行全体のプランを投稿する予定です。頑張って書きますので次回以降も読んでくださいね!
HoI4二重帝国AAR13 1946年(終)
「ようこそお越しくださいました、それでは今年もよろしくお願いします」
「この46年が最終回になる。最後までよろしくな」
「前回は大陸から日本軍を叩き出した後に日本本土へ強襲上陸を成功させたものの、関門海峡と豊後水道のラインから先に進めなくなってしまったところでしたね」
「第一波が突破に失敗したから第二波の上陸を準備している。もうすぐ完了するぞ」
「1月3日、第二波の青森への強襲上陸が成功しました」
「よし、ガラ空きだな。すぐに南下する部隊と北上する部隊と二手に分かれて進撃を開始しろ」
「さて、これで敵が動くかな…ん?」
「1月7日、フランス軍が近畿に強襲上陸しました!」
「これは好機だ!第一波の部隊は進撃再開!」
「突破に成功し本州に渡河しました!」
「フランス軍はさらにまた部隊を上陸させたようだ。このまま一気に決めるぞ」
「突破した後は脆かったですね。1月23日、東京陥落です」
「さらに攻勢を続け、日本本土をほぼ占領し1月27日に日本は我が国に降伏した」
「講和会議ではなんとなく日本本土を取ることに決め、本州の大半と九州を取りました」
「残りは日本に残ったり中国に持っていかれたりしました」
「よし、これでいずれ生まれる中の人がオーストリア人になるな!」
「さて…これをもちましてプレイを終了したいと思います」
「まだ連合とは戦っていないが、我々はあまりにも連合陣営を強くし過ぎてしまった。今から連合を抜けて敵に回しても勝ち目がない」
「ドイツと日本が早期に死亡したためアメリカがまだ連合入りしていないので、連合のままアメリカを叩くことも考えたのですが」
「中道国家の我が国でも、連合陣営にいると宣戦布告が出来なかったのだ。盟主のイギリスが民主主義国家だからだろうか?よく分からないが」
「かと言って我が国単独でアメリカに勝てるかと言うと多分無理ですし、万が一途中でアメリカが連合入りするとどうあがいても詰みます」
「連合を敵に回すと、英仏はもとよりロシア(ソ連降伏後イギリス傀儡)も敵に回るのが辛いな」
「というわけで、現実的に倒せる目ぼしい敵がいなくなってしまったので、これをもちまして終了といたします」
「ではここからは感想や振り返りだ」
「まず…このプレイの目的だった『M=R協定のせいでソ連に宣戦布告されるのか?』は『されない』ということが分かったな。これから当MODで帝国をプレイする方は安心されたい」
「とはいえ、どこかでドイツやソ連とは雌雄を決しなければならないでしょうし、まともに軍拡競争をして勝てる相手ではない以上、大筋では今回私がやったような路線でいくしかないと思います」
「帝国が存在していることによるドイツの弱体ぶりは正直想像を越えていた。当MODの独ソ戦はまず間違いなくソ連が制するだろう」
「それにしてもソ連と言えば、ドナウの奇跡は本当に奇跡でしたね…」
「あれは1942年のことだったな」
「ソ連軍にチェコ北方の戦線を完全に突破され、ウィーンが陥落した時ですね。一時敵はクロアチアまで達していました」
「この大逆転勝利で墺ソ戦の流れが決した。この後はズルズルと押してただけだったものな」
「同じことをもう一度やれと言われても無理です。そういう意味でも奇跡です」
「しつこくなるが、このプレイはテストプレイもやり直しも無しの一発勝負だった。この奇跡を起こした日、リアルで中の人はその日の間震えが止まらなかった」
「実際のところ、帝国が安定してソ連に勝てるか?と言うとちょっと微妙だと思います。滅亡覚悟のガチバトルになるので、そこはゲームとして楽しいかと思いますよ」
「最後にもう一度このMODの宣伝をして終わりましょう。HoI4とジョニー様のMOD、
『Austro-Hungarian Empire』
http://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=862385110
と
『+JP Karl Ⅰ』
http://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=921747941
をよろしくお願いします!今後もまだまだ更新し改良されていく予定です!なお、導入には日本語化MODを既に入れている必要があります」
「ま、日本人プレイヤーで日本語化を入れない人がいるとも思えんが…」
「中の人も今後どういう改良のお願いをしようか悩んでいるところです」
「また、HoI4に留まらずオーストリア=ハンガリー二重帝国の魅力がより多くの人に知られることを願ってやまない」
「さて、次の更新からは中の人が当ブログを始めた本来の動機である中欧旅行の話をしていこうと思う。願わくばそちらもよろしくお願いしたい」
「これを書いている2017年6月13日現在で、旅行まであと1週間に迫っています。期待と不安でいっぱいになりながら、諸々調べ物や予約や計画をしている最中です」
「「ここまでご覧頂いた皆様、本当にありがとうございました!!」」
HoI4二重帝国AAR12 1945年
「さて、今年もよろしくお願いします」
「1945年というと、やはり節目の年に感じられるな」
「正直なところソ連とのガチバトルを終えてからはダルいだけなので、さっさと日本を倒してしまいましょう」
「2月11日、かねてから進めていた満洲まるごとの大包囲作戦を成功させました」
「よし!どう低く見積もっても中に30個師団はいるはずだ。すぐに仕留めろ」
「装甲軍は殲滅には加わらず、どんどん先に進ませます」
「2月22日に満洲国が降伏しました」
「これで包囲下の敵は完全に補給切れだ。降伏する前でも補給の需要を賄いきれていなかっただろうがな」
「3月4日、我が国の天津租界(脳内設定)を解放しました」
「ロシアから進撃してるからロシア領の扱いになっているがな」
「3月20日、南京を解放しました!」
「そのまま装甲軍で爆進し続けて…」
「4月15日、ついに中国から日本軍を完全に叩き出しました!」
「?妙に歯応えがないな」
「日中の前線には大量の日本軍が張り付いているかと思っていたのですが、10個師団もいませんでしたね。もしかすると本土防衛のために自分から撤退したのかも知れません」
「AIにしては賢明じゃないか。よし、日本本土を落とすぞ!」
「6月1日、上海まで本土からはるばる海軍の全艦艇を回航してきました」
「ちなみに海軍だが、今や空母7隻戦艦5隻に達し、潜水艦は60を超えるぞ」
「精鋭の山岳兵に天津→長崎の上陸作戦立案を命令しておきました。しばし待ちましょう」
「6月12日、ソウルを火の海に…もとい、解放しました」
「遠征で辛いのは分かるが住民へのおイタは程々にな?」
「そのまま7月3日には釜山に達し、朝鮮半島全域を解放しました」
「しばらくやる事も作る物もないのでボケーッと太平洋を眺めていたのですが、連合軍がポートモレスビーを失陥していました」
「恥を知れ恥を!」
「そうだ、せっかくだからアレやりませんか?インフラ大整備」
「いいぜ〜、やろうやろう」
「今インフラをMAXまで整備する意味は無いに等しいんですけどね」
「インフラ整備は統治者の義務にしてロマンだよ」
「高速道路や弾丸列車が帝国領内を駆け巡るんですね」
「戦争終わったら帝国領を旅して、特急電車に乗ってピルスナーウルケル片手に車窓眺めてぇな〜(今度やる)」
「さあ9月5日(誕生日)、いよいよ我が軍が長崎に上陸して日本本土に帝国旗を打ち立てました」
「ついにここまで来たな」
「例によってナチが前線にうろついてます。どうもこのナチゾンビ、枢軸陣営からも連合陣営からも軍事通行権を貰っているらしく、どこにでも湧いてくるのですよ。まぁ通行権があるのはイコール宣戦布告が不可能ということでもあるので、ある意味人畜無害なのですが…」
「えぇ…(困惑)早く往生して、どうぞ」
「申し訳ありません、不覚を取りました」
「どうした?」
「九州は確保出来たのですが、有力な敵が対岸にいて本州と四国へ進めません。三回攻撃してみたのですが、いずれも失敗しました」
「ええいくそっ、ぬかった。また新しく別の場所に上陸し直さなければならんな。時間がかかる」
「これはちょっと厄介ですね」
「人的資源が惜しい。これ以上の無理押しは禁じ、人命第一でいく」
「数では圧倒しているのですが、地形が最悪です。渡河攻撃扱いになる上に、敵と一ヶ所でしか接していないため戦闘幅が狭く、実質的に有効な戦力は同等以下になっています」
「この時点で既に12月16日、今年中の日本降伏は完全に不可能になったな」
「まぁ、来年には確実に降伏させられるでしょう」
「というわけで、次回で日本を降伏させ最終回としようと思う」
「最後までよろしくお願いいたします」
HoI4二重帝国AAR11 1944年
「というわけで今年も始めていきます」
「今年もよろしくお願いする」
「しかしあれですね、ソ連との戦争の印象が強すぎて日本とも戦争してるのを忘れてしまいそうです」
「うーん、日本までの遠征はダルすぎるんだよな」
「そろそろ対ソのための技術研究から対日にシフトしていきましょうかね」
「陸軍ばかりの研究から空海軍を重視したものに変更しよう」
「それと、MOD作者のジョニーさんから連絡がありました。我が国の鋼鉄産出量が+10されたようです」
「おっ、そうか。我が国、鉄はある程度成長すると自給出来なくなるから、ささやかながらありがたい強化だな」
「このように、このMODはまだまだ変更や改良が加えられる予定になっています」
「改めてHoI4やこのAustro-Hungarian Empire MODをよろしくな!」
http://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=862385110
「さて、そろそろ進めていきましょう」
「今年も暇なうちに再編成その他だ」
「1月15日、イギリスが遠征軍を送ってきてくれたのでどこにいるのかチェックしたら、インドにいました」
「いつの間にか新疆が共産入りしていたので、新疆とインドの国境が戦争状態になっていました。インド戦線ですね」
「新疆の存在感がにわかに増したが、所詮は新疆だ。国力的に共産陣営の主要国とは見なされず、ソ連が降伏すれば新疆も降伏する」
「そのままアジアを見ていたら、なんとナチスドイツの第2装甲師団がマラッカ海峡に浮いていたぞ。今のナチスドイツは、領土が存在しないが何故か存続している。また、枢軸陣営にはいるが連合とは休戦状態だ。いくらかの残党が日本を頼ってアジアにいる」
「さらに日中戦争ですが、日本は重慶の目前まで達しています。中華民国も限界でしょう」
「だが、日本が連合とも戦争状態になっていることで、英軍その他がかなりの数香港や広州のあたりに展開しているようだ。まだ分からないな」
「ヨーロッパでは、英軍とフィンランド軍が極寒を突いてヘルシンキに強襲上陸を成功させました。彼らと連携していきたいですね」
「よし、厳冬期だが限定的攻勢に出るぞ。レニングラードを落とせ」
「レニングラードを落とされれば、ソ連もフィンランドの連合軍を海に追いおとす力を失くすでしょう」
「やりました!2月22日、レニングラードを占領しました」
「ソ連はモスクワに続きレニングラードを失い、また一歩降伏に近づいたな」
「71%降伏に近づいたそうです。さらにスターリングラードやその他を奪う必要がありますね」
「この頃、ついに装甲軍が将軍の指揮可能上限数の24個師団に達しました!今や指揮官もスキル6攻勢工兵持ちと、どこに出しても恥ずかしくない軍に成長しました」
「それを記念するためと対ソ戦を効率的に遂行するためを兼ねて、『戦域』機能を使って全軍を北方軍集団(68個師団)・中央軍集団(72個師団)・南方軍集団(89個師団)・予備(21個師団)の4つに分けた。とても整然として美しい編成だろう?」
「実際操作もやりやすいです。もっと早くやっておくべきでしたね」
「全軍が200個師団を擁するくらいの大国になったら戦域分けした方が便利かも知れないな」
「軍集団と言えば、中の人はドイツ軍の軍集団の名前が大好きです」
「初期のイケイケな時は『中央軍集団』や『A軍集団』と機械的で分かりやすい名前なのに、末期にヤバくなってくると『ヴァイクセル軍集団』や『シュタイナー軍集団』などと特定の地名や人名になる。ここから先は意地でも通さんん!とか、とりあえず近場の部隊の指揮権全部この人に投げました!という切羽詰まって余裕がない感じが伝わってくる。何か愛おしく感じられないか?中の人はそう感じる」
「3月9日、我が軍の北方軍集団と連合軍がフィンランドで無事に合流しました」
「よし、攻勢を停止しろ。5月からの全面攻勢に備えるんだ」
「さらに新型中戦車の研究が完了しました。これに昨年の戦いでMAXまで貯まった経験値で改良をマシマシにして、真・決戦兵器として採用します」
「これはドイツのパンターに相当する世代の戦車だな。オーストリアやハンガリーやチェコだと…何だろうな?」
「中の人そこまで兵器は詳しくないのです…が、いずれこのMODの帝国に固有の兵器名が付いたらなと思っています」
「ちょっとちょっと、これマズイんじゃないですか?」
「何事だ?」
「資源の輸入にほぼ全部の民需工場を取られてしまっています」
「あー…兵器の生産に伴って資源輸入が膨らみ過ぎたんだな」
「石油130をアメリカ、タングステン72をポルトガル、金属150をフランス、ゴム80を蘭印からそれぞれ輸入しています。ちょっと民需工場数が足りていません」
「これは地道に民需工場を作るしかないな」
「さて、5月になりました。全軍の準備は整っています」
「よし、この攻勢でソ連の息の根を止める。全軍進め!」
「5月17日、ついにスターリングラードを落としました!」
「さらに付近の敵12個師団を包囲殲滅したぞ」
「5月29日にはアストラハンを占領しました」
「ここまで来るともうアジアだな」
「ソ連を本体とコーカサスに分離することに成功しました。コーカサスに閉じ込めた敵、推定35〜40個師団を殲滅しましょう」
「朗報!朗報です!6月21日、ついにソ連が音を上げて降伏しました!我らの勝利です!!」
「長かった…帝国は勝ったのだな!」
「さて、楽しい講和会議のお時間です…」
「我が国は、まず東ドイツを全割譲させ、アルバニアを併合し、イタリアからエミリア・ロマーニャとトスカーナとサヴォイを召し上げました。最早HRE(神聖ローマ帝国)時代に戻りましたね」
「また、バルカン戦役の時に併合し忘れて残っていたギリシャ暫定政府を今度こそ併合し」
「さらにソ連からウクライナとベラルーシ、東プロイセンとメーメルを割譲させました」
「さらに、粋な計らいとしてフィンランドに全カレリアとコラ半島とレニングラードとエストニアをプレゼントしておいたぞ」
「大フィンランド先輩オッスオッス!」
「元は彼らがソ連に因縁つけられて始まった戦争だから、まぁ多少はね?」
「リトアニアとラトビアはイギリスが持っていき、グルジアとアルメニアとアゼルバイジャンのコーカサス三兄弟は独立させた」
「ソ連の残り部分は民主化されたロシア連邦に変態し、軍備は全て解体されました」
「新疆、リビア、エチオピア、残りのイタリアも同様にイギリスの傀儡として民主化されたぞ」
「これでソ連は完全にお終いですね」
「なお、何故かソ連領だったコルシカ、プロヴァンスはイギリスが取っていった。これはフランスがブチ切れて良い案件だと思うが…」
「貢献度による戦勝点が高い国から好きに取り分を得られる(相撲部屋のちゃんこ鍋)システムの欠陥ですね。どうしようもないかと」
「講和条約としては以上のようになる」
「外交的に注意すべき点が二つ発生しました。一つ、モンゴルがぼっちで共産陣営として存続しています。戦争状態ではなくなりましたがね」
「もう一つは?」
「ロシアはイギリスの傀儡として連合入りしました。しかし軍備が解体されたのに、即座に極東で日本陣営と戦争になります」
「うーん、これは助けなきゃならんかなぁ…まぁしばらくは最後の戦線で休んでよう。補給物資はロシア領になったんだからロシア持ちな!」
「さぁ人の財布だ、好きなだけ呑もうぜ!」
「クズゥイ!まぁ許容範囲だと思いますがね…」
「あーあー、案の定ロシアは極東でやられたい放題になっているようだな」
「これで大量の日本軍がロシアに引き抜かれた結果、重慶まで押されていた中華民国が蘇生しました」
「そんななか8月25日、衝撃の報が舞い込んだ。ロシアがイランに宣戦布告した」
「軍隊がロクに無くて極東から日本軍が押し寄せているというのに、自ら腹背に敵を作るとはな…」
「国体は新しくなっても、脈々と受け継いだロシアの南下政策のDNAはそのままなのでしょう」
「おいおいおい、ロシア軍がイラン軍に惨めに追い散らされてるぞ!笑いが止まらない!」
「急報!さらに9月7日、ロシアがイラクにも宣戦布告!イランイラクにアフガニスタンは共産陣営と同盟!我ら連合とも戦争になりました!」
「はっ⁉︎イランイラクアフガンモンゴルが敵ということは…ロシアのシベリアや中央アジアに加えて、中東の英仏植民地やインドにも危険が及ぶぞ!」
「ロシアの野郎なんてことしてくれた…!」
「すぐに我が国も本格介入する。250個師団ほどの選抜部隊をロシア救援軍として旧中央軍集団に組み込んだ。各軍ただちに持ち場につけ!」
「クソッタレ、モラヴィアワインを飲む宴席の準備が台無しですよ!大帝国が崩壊する時は決まってロクなことがない!」
「9月11日、まずは世界最強の山岳軍がロシア-イラン国境に到着した。すぐに戦争を教育してやれ」
「9月28日、シベリア鉄道ですっ飛んで行った歩兵軍が東シベリアで敵と交戦状態に入りました」
「11月19日、テヘランはじめ諸都市を失ったイランが降伏しました」
「イランに恨みはないが、我が軍の強さ思い知ったか」
「12月5日、共産陣営の盟主モンゴルが降伏しました」
「講和会議だ。自分の戦争ではないという認識なので、特にどこか寄越せとは言わないが…」
「ロシア野郎に土地が渡るのは容認出来ん。モンゴル、イラン、イラク、アフガニスタン全て独立して民主化してもらおう。ここに共産陣営はやっと完全解体だ」
「さて、邪魔が入ってしまったが主敵は日本軍だ。どうなっている?」
「この後は、野心的だが東側から満洲国中心部を蹂躙し、満洲から東シベリア奥地の日本軍を丸ごと包囲することを狙う」
「日本軍に満洲軍なども加えて50個師団はいるようですからな。大きな釣りになりそうです」
「さて、今年ももう終わりだ。締めるとするか」
「はっ。ようやく宿敵ソ連を倒しましたが、ついに日本軍と直接対決することになりました。いくらか邪魔者も出ましたがね」
「来年45年は対日戦になる。降伏までさせられるかな?」
「そこは分かりませんが、可能な限り狙っていきたいと思います」
「それではまた来年!」
HoI4二重帝国AAR⑩1943年
「それでは今年も始めていきましょう」
「今回ずいぶん更新まで時間かかったな。何があったんだ?」
「iPhone版Civilizationにハマって時間を溶かしてました(小声)」
「(腹パン)」
「オフッ!」
「なにやってんだオメーは!」
「旅行で長時間のフライトになるから時間潰すために何か欲しくて…」
「あのさぁ…」
「さて、気を取り直して前回のおさらいだ。前回我が国は、ソ連とフィンランドの戦争に介入する形でソ連と開戦。あわや滅亡の危機に追い込まれたが、60個師団を包囲殲滅しドナウの奇跡というべき大逆転勝利を成し遂げた」
「1月1日現在では、冬季のため全軍は停止させています。敵も一切動きはありません」
「これが現在の戦線だ。向かい合っている師団数では向こうが1割から2割上だな」
「この暇な状況を利用して、再編成と軍需生産の見直しを行いました」
「戦闘中はこういったことに気を配る余裕は無くなるからな。冷静なタイミングのうちにする準備が勝敗を決する」
「生産過剰になっている装備から、目下いくらでも必要になっている戦闘機に軍需工場を割り当て直しました」
「また、たんまり貯まった陸軍と空軍の経験値で、中戦車と戦闘機の大々的な改良を行いました」
「武装も装甲も航続距離もマシマシにしたのにほとんど信頼性が下がらない素敵仕様だ。これを我が帝国の決戦兵器として採用し、今の生産ラインは全部これに置き換える」
「さて、時間を進めてっと…」
「ふと思ったのですが、我が国は案外世界で最初にソ連を国家として承認してたりしそうですよね」
「そうだな。仮にWW1の単独講和に成功したとしても、協商国からも同盟国からもいつ狙われてもおかしくないし、国内がガッタガタで準内戦状態なのは目に見えているからな」
「帝国とソ連でお互い国内に首を突っ込まないことを条件に国家承認、大いにありそうな話だと思うのです」
「…と中の人は体力作りのため毎週通っているプールで泳ぎながら妄想していた。全く、お粗末な頭で何を考えているんでしょう」
「どうして36年に完全体二重帝国が存在するのかは考えないようにしよう、と最初に言ってたのは何だったんだ」
「でもやっぱり気になるじゃないですか」
「攻勢の準備に余念がない中、3月17日にイギリスが今度はクリミア半島に突然上陸しているのを確認しました」
「赤軍もスカスカだったようで、瞬く間に半島を押さえたようだな」
「便乗して攻勢をかけますか?」
「うーん、まだロシアは泥濘期だろう?でもこの機会を活かさないというのも…」
「そうだ、東ドイツでの包囲殲滅だけ先にやっておこうか。早く装甲軍を他所に動かせるようにしたい」
「了解しました。それでは限定的な攻勢を発動します」
「突破に成功!5日でバルト海に到達し、西側に取り残された敵、およそ30個師団を包囲しました」
「決戦兵器の威力が示されたな!」
「2週間ほどかけて殲滅しました。いくらか海路で逃げられたようですが、それでも25個師団はカタいですね」
「損害はソ連3.26Mに我が国319k。キルレシオは10:1に達しました」
「師団数も、開戦時はおよそソ連450対我が国150と3:1の劣勢だったが、今は376対177と約2:1まで差が縮まったぞ」
「これは…勝てるかも知れませんね!」
「一応他の戦線も覗いてみようか。イタリアとリビアは降伏したから、極北戦線は…」
「なんか味方が10個師団ほど包囲されてますが、地形もインフラも悪い所ですし、狭い所ですし、後ろにも兵力はいるので大丈夫でしょう。多分」
「まぁ大勢に影響は無さそうだな」
「次はスペイン戦線…ん?」
「どうした?」
「スペインと戦争状態じゃないです」
「えっ」
「どうやらスペインはソ連の傀儡国ではなかったようですね。従って戦争にもなってないと」
「えぇ…道理でフランスがどんどん遠征軍を送ってくれるわけだ…。もうフランス軍だけでウチの1軍24個師団を構成してるしな」
「今までずっと勘違いしておりました。申し訳ありません」
「お詫びに美味しいグーラッシュをどうぞ」
「元になっているハンガリーのグヤーシュがスープなのに対して、オーストリアではシチューのようになっています」
「かつてのハプスブルク帝国の範囲で親しまれている料理だ。料理には歴史的な経緯が滲み出る」
「4月15日、戦艦と3隻目の空母が完成していました」
「戦艦は『Viribus Unitis』、空母は『Joseph Ⅱ』と命名したぞ」
「かつての戦艦の名前の再使用ですね。Viribus Unitis(フィリブス・ウニティス)とは、ラテン語で『力を合わせて』を意味するフランツ・ヨーゼフ1世のモットーです」
「実に多民族帝国らしくて良いよな」
「4月29日、本格的な攻勢の始まる直前にちょうど陸軍ドクトリンの研究が終わりました。いよいよ最後のドクトリン『エアランド・バトル』です」
「ソ連に数で劣る以上、質で負けるわけにはいかない。しっかり頼むぞ」
「また、イギリス軍が南方の戦線をいつの間にか押し上げてくれていました。敵4個師団を包囲しています」
「素晴らしい。幸先の良いことだな」
「そしていよいよ5月になりましたので、戦略的大攻勢を発動します」
「進めや進め!!」
「攻勢は順調です!5月13日、キエフを再占領しました!」
「そのままあっさりとキエフ周辺でドニエプル川の渡河に成功しました!抵抗が微弱ですので、停止せず進撃を続行します!」
「6月19日、リガを占領しました!」
「ソ連の天然の水堀、ダウガヴァ川〜ドニエプル川のラインを完全に突破したようだな」
「28日、今度はミンスクを占領しました!」
「よーし!北方中央南方、いずれでもソ連の主要都市を奪ったな!」
「攻勢は成功、かなり前進することに成功しました」
「これが7月1日時点での損害だが、キルレは広がる一方だ。1月と比較しても、ソ連はさらに1Mの損害を出し20個師団を減らしている」
「このまま一気に畳み掛けます!優勢な時に行けるところまで行くのが中の人の信条です」
「それで何度足元を掬われてザンネンな事態を招いたと思ってるんだ、慎重に行くぞ」
「はい…」
「イギリスが占領した後、ソ連が奪い返したクリミア半島を再び占領するためにデンマークとフランスの遠征軍を差し向けたのですが、彼らがやってくれました!」
「8月11日、クリミア半島の付け根で敵11個師団を包囲した。南方での優勢は明らかなようだな」
「本当に遠征軍には頭が上がりませんね。彼らがいなければ去年滅亡していましたよ」
「そのまま9月5日、セヴァストポリを占領!どうでも良いが中の人の誕生日だな」
「あっ、そう(無関心)」
「…北方でもエストニア、ナルヴァ近郊で3個師団を包囲しました。中央でもモスクワの玄関口スモレンスクを陥落させました」
「うむ、こういう小規模な包囲をどんどん決めていきたいな」
「大規模な包囲は痛快で楽しいのですが、去年滅亡寸前まで追い込まれた恐怖から冒険する気はしませんからね」
「よし…もう10月になる。冬季に入る前に敵に決定的打撃を与えておきたいな」
「既に前線はモスクワ近くまで達しました。ここはモスクワを狙うしかありません!めざせモスクワです!」
「よし!装甲軍を集めろ。タイフーン作戦発動だ!」
「やりました!10月19日、ついに我が軍がモスクワに入城しました!しかも敵14個師団のおまけ付きです!」
「Moskau Moskau, wirf die Gläser an die Wand,
Russland ist ein schönes Land
Ho ho ho ho ho,hey!♪」(モスクワ、モスクワ、壁にグラスを投げつけろ ロシアは素晴らしい国だ ホホホホホ、ヘイ!)
「モスクワで異常に熱くなっていますが、中の人はウォーゲーマーとしてモスクワに格別な因縁があるのです」
「ここまでくるともはや中の人のリアルの内輪ネタなんだがな。この前のドイツ軍贔屓に関わってくる話なんだが、大学のサークルにいた時にバルバロッサ作戦のゲームでドイツ中央軍集団司令官をやったり、タイフーン作戦で第4装甲軍司令官をやったりして、モスクワを落とすことに並々ならぬ情熱を注いだのだ」
「めざせモスクワを原語のドイツ語版でカラオケで歌えるようにするためにどれだけ練習したことか…」
「前回の中欧旅行ではモスクワで飛行機の乗り換えだったから着陸したのだが、中の人はイヤホンでこれを聴いてノリノリだったな」
「しかもそのシェレメチェボ国際空港はモスクワの北西部にあり、タイフーン作戦のゲームの時に自分の装甲軍で占領した所でしたから感動もひとしおでした」
「ともかくこれでソ連には決定的打撃になっただろう。もう冬だ、全軍停止!現在の線を維持せよ」
「ソ連はスターリングラードを臨時首都に定め、徹底抗戦の構えです」
「向こうも一度ウィーンを落とした。これでようやくおあいこになったな」
「全軍停止を命じましたが、南方のクリミアからコーカサスに進出したデンマーク軍から、自分たちの戦区には雪が降っていないため攻勢を続けさせて欲しいとのことです」
「よろしい、コーカサス方面のみ攻勢を続けよ!」
「11月4日、アゾフ海沿岸部で8個師団を包囲してすぐさま殲滅しました!」
「損害は…ソ連6.08Mで師団数は308にまでなっているな。一方我が軍は403kで226個師団。最早我らの優位は明らかだ!」
「ドナウの奇跡がよほどソ連の致命傷になったんでしょうね…あれで全てが決まりました」
「いやいや、まだモスクワを落とした以外は史実のドイツ軍の最大進出ラインと大差ない…44年には赤軍はさらに強化されるし、まだ決まったと言うのは早計に過ぎよう」
「11月20日、『エアランド・バトル』の研究が完了。これで陸ドクは完成しました」
「ついに終わったか。長かった…この研究ラインは原子力方面に主に使うとしよう」
「12月28日、デンマーク・コーカサス方面軍がバトゥミに到達。これで黒海沿岸は全て押さえました!」
「よーし、そろそろ彼らにも休んでもらおう。停止命令を出せ」
「はっ。これが12月31日の前線です」
「帝国も広がったなぁ…」
「来年は、北方ではレニングラードの占領とフィンランドの解放、中央ではウラル山脈までの到達、南方ではスターリングラードおよびバクー油田の占領が目標になりますね」
「かなり押し込んだが、未だ兵力で劣勢なのに前線の距離は長くなる一方だ。絶対に油断なきように」
「果たして来年でこの墺ソ戦に決着を付けられるでしょうか…難しいところです」
「来年こそまた大逆転される危険も未だ残っている。まだまだ目が離せないぞ」
「それではまた来年お会いしましょう!」
HoI4二重帝国AAR⑨1942年
「あけましておめでとうございます」
「前回我が帝国は連合入りして鮮やかにドイツとイタリアを倒したが、ソ連が地中海に進出したんだったな」
「日本との戦争はまだ続いております。画像は撮り忘れましたが、1月1日に経済法を戦争経済(消費財=民需工場の15%)に変更しておきました」
「徐々に我が国も総力戦の態勢が整ってきたな」
「1月18日、ソ連がフィンランドにカレリア地方を要求。フィンランドはこれを拒否し、戦争は不可避と見えます」
「いまさら冬戦争か。…ん?」
「ドイツもいなくなったのでソ連は地盤固めに入ったのでしょう…何か?」
「おい、緊急で全軍に対ソ戦の配置を取らせろ!急げ!」
「へ?対ソ戦はいずれはやりますが、当面は日本への遠征を準備するはずでは」
「もうすぐに変更だ。HoIプレイヤーとしての直感だ。考えてもみろ、ドイツがいない状況で、ソ連と戦争になったフィンランドが連合に泣きつかず、連合がそれを受け入れないと思うか?」
「まさか…いやしかし、仮にフィンランドが連合入りしたとして、HoI4ではHoI2と違い、同盟を組んでいるだけで即戦争とはなりません。同盟国からの参戦要請を受諾されるか、敵国に自分も宣戦されない限りは戦争になりません」
「それは承知の上だ!いいかよく考えろ。我が国とソ連では地力が違いすぎて軍拡競争では勝ち目が無い。それにソ連は弱体とはいえドイツとイタリアとアルバニアを傀儡国に抱え込んでいる。我が国はただでさえ劣勢なのに三正面作戦をしなければならないんだ。今対ソ戦の準備が整っていないからと言って共産陣営を放置すれば必ず禍根になる!」
「確かに、フィンランドを見殺しにしてはソ連がまた一つ完全体に近付きますし、我らに向く軍も増えますね。そもそも完全体を目指し始めたソ連が我が国のベッサラビア等に目をつけないとは思えません…それに、質も量も年々増していく赤軍の津波を我が軍が受け止められるかと言えば…」
「そうだ。この負け確な状況をひっくり返せるのは、今ここしかないんだ!分かったら急げ!」
「は、はい!」
「対ソ戦の準備を急ピッチで進める中、2月10日にシャム帝国が中華民国に降伏しました」
「極東では日本が劣勢なのか?まぁ我が国は連合だから喜ばしいことだ」
「2月12日、対独伊戦勝記念ということでプーラ(イストリア)の海軍基地をレベル10まで拡張させ、造船所をMAXまで建設するよう発注しておきました」
「よおし、こうなったら戦艦も建造するぞ。k.u.k.Kriegsmarineの未来は明るいな!」
「まぁ、これくらいは遊ばなきゃやってられませんね」
「4月2日、ついにソ連がフィンランドに宣戦布告。冬(?)戦争が開始されました」
「ソ連は自ら以上に冬季戦の得意なフィンランドとの戦いを雪溶け後にもってきたのだろう…スターリンもなかなか頭が冷えているじゃないか」
「スターリンというよりも、本当に大粛清があったか疑わしい赤軍指導部が有能な印象を受けますが…」
「ま、どっちでも良い。とにかくこのソ連は恐るべき敵手だ」
「たとえフィンランドが連合入りせずとも、我が国は同じくソ連の脅威と直接国境を接する友邦として、最大限の支援を行うものであります。旧式の歩兵装備、戦車・航空機などを大量にレンドリースとして送ります」
「在庫処分がメインだろうに…」
「物は言い様ですので」
「4月6日、フィンランドが連合入りしました!予想的中でしたな…」
「これで我が連合と共産が戦争状態に入ったわけだな…我が国はまだ参戦していないが、すぐに参戦要請が来るだろう」
「すぐに受諾しますか?」
「いや、要請は1ヶ月間回答を留保できる。泥濘期が終わり攻めやすくなる5月1日まで待とう。それが…Xデーだ」
「了解しました。ギリギリまで軍も準備を進めます」
「ソ連を警戒してか、デンマーク軍から6個師団の遠征軍の申し出を貰った。ありがたく受け取り、彼らには近所のシュレスヴィヒ=ホルシュタインの防衛に当たって貰おう。ちょうど防衛兵力がいないから放棄しようと思っていたところだ」
「5月1日になりました。フィンランドの連合入り以降、独ソ戦が始まってからスカスカだったソ連国境にはどんどん赤軍が集まってきています」
「やはり今先手を打つしかない!全軍、進め!」
「というわけで我が国は連合陣営として共産陣営と戦闘状態に入りました…ここで、状況を整理しておきましょう」
「よろしく頼む」
「まず、連合陣営には英連邦、自由フランス、オランダ、ベルギー、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、そして我がオーストリア=ハンガリー二重帝国が属します」
「オーストリアとオーストラリアが同じ陣営とは紛らわしいことこの上ないが」
「本来ウチはエスターライヒですから勘弁してください、ウチの国にはカンガルーもエミューもいません…」
「そして、対する共産陣営には、ソ連、モンゴル、タンヌ=トゥヴァ、東ドイツ、イタリア連邦、共和スペイン、共産アルバニア、ソビエト領北アフリカ(リビア)、共産エチオピアが属します。この全てがソ連の傀儡であり、ソ連以外は先の戦争で軍備が一度解体されて再軍備の途上であり、ロクな戦力を有していません」
「両軍が衝突するのは…フィンランドとノルウェーの極北戦線がまず一つ。次が私どもの中央戦線です。ここが主戦場です。東ドイツから黒海まで長大な戦線で睨み合っています。また、東ドイツの裏手シュレスヴィヒにもデンマークからの遠征軍が存在しています」
「次に北イタリア戦線。我が軍の山岳軍に自由フランス軍も加え、イタリア連邦と戦います」
「次はアルバニア戦線。敵も1個師団しかいないようで、すぐにケリはつくでしょう」
「次、ピレネー戦線。自由フランス軍と共和スペイン軍が戦います」
「さらに、アフリカ戦線が2つ。英仏軍がソヴィエト領北アフリカで戦う北アフリカ戦線と、エチオピアで戦う東アフリカ戦線です」
「さらにジブラルタルのあるスペイン南部や、ソ連領コルシカ島のある西地中海でも戦闘は行われるはずです」
「これだけの大作戦だ、全体の面倒なんてとても見られない…他は同盟国に委ね、我々は中央戦線に尽力する!」
「我らの130個師団の準備は完了、8個航空艦隊に水上艦隊と潜水艦隊も万端です」
「作戦だが、まずは装甲軍を主体に小規模な包囲殲滅を行いつつ、ドニエプル川〜ダウガヴァ川のラインまで前進する。その後はまた適切な場所に装甲軍を投入し、さらなる包囲殲滅を狙う。そういった包囲を何回かするうちに勝機も見えて来よう」
「というわけだ!全軍突撃ーーっ!!」
「早速5月21日、限界に達したフィンランドは降伏した。だが、まだ敗残兵はノルウェーで戦い続けることになる」
「5月23日、オデッサ占領!しかも12個師団包囲殲滅のおまけつきだ。大戦果ではないか!」
「5月26日、キエフ占領!いけるぞこの戦!」
「イタリア方面もアルバニア方面も大勝利、これはこの戦い頂きですな!」
「よし!このまま畳み掛けるぞ!押しまくれ!」
「大変です!戦線中央から急報…敵の突破を許し、急速な浸透を受けつつあり!敵は東ドイツから南下してモラヴィアに侵入、ブルノを占領しそのまま一気に帝都ウィーンへ侵攻中!『赤いナポレオン』『赤軍の至宝』トゥハチェフスキー元帥率いる約60個師団です!」
「マズいマズいマズい!予備戦力などというものは皆無だ!大至急、敵の進路上に訓練未了の新兵をバラまいて敵の足を止めよ!」
「あああああああああ!!!!」
「即座に攻勢を中止し防御に移行!装甲軍を呼び戻せ!突破された破孔の根本を装甲軍で刈り取って反撃に転じるぞ」
「もちろんやりますけど、間に合うかどうか…」
「6月22日、装甲軍が引き抜かれた右翼でも劣勢になり始めました。オデッサは奪還され総崩れの危機です」
「戦線を下げて圧縮するんだ。キエフも放棄!秩序だった後退を維持しろ!赤軍に付け入れる隙を断じて与えるな。総崩れには意地でもしてはならん!」
「この絶体絶命の状況…どうすれば…」
「諦めるな…時間を止めてマップを舐め回すように見つめれば答えはある」
「ぶっちゃけた話、私はHoIではこういう失敗をした時にまだ立て直しが出来る状態で気付ける本能的な感覚があるからな。それを信じろ」
「…っ!あった!シュレスヴィヒの兵を使え!」
「シュレスヴィヒのデンマークから来た軍は新兵のみ6個師団しかいませんが…こちらの方面に東独軍も赤軍も見受けられません。後ろから奇襲してみましょうか」
「即座にやれ!」
「ブダペスト陥落は首の皮一枚のところで回避しました…が、帝都ウィーンは陥落し、まだ浸透してきた敵が多すぎて、敵がクロアチア方面にもやってきました!こちらに対応出来る部隊はいません…もう終わりだぁ!」
「怯むなっ!イタリア連邦は既に死に体だ、イタリア方面軍の山岳軍24個師団を大至急呼び戻せ!代わりはフランス軍から遠征軍で借りた9個師団にやらせれば良い」
「この山岳軍に、さらにまた訓練未了の新兵を放り込んでどうにか敵の足は止まりましたが…すぐ敵は攻勢を再開するでしょうし、もう詰みかと…」
「アッ!しかもAIに任せてたら16個師団が敵中に孤立してる!」
「んおぉん…」
「あぁ…滅亡エンドか…帝国領にアカどもがあんなにどっちゃりと…読者様に何て言い訳しよう…」
「急報!まだ我らは死んではおりませんぞ!」
「?」
「7月3日、搦め手から奇襲された東ドイツ政府は降伏。東ドイツの領土はオーストリアのものとなります。これはつまり…」
「形勢逆転だ!オーストリアに入った敵は東ドイツから来ている。補給を断てたぞ!」
「出すぎた敵の60個師団は、今や敵中で補給切れになり、勝手知ったる地元の山岳兵にやられるだけの木偶の坊と化したぞ!」
「こやつら絶対に逃がしません!皆殺しです!」
「敵も混乱しているようだ。進軍が止まり、包囲された部隊への攻撃も止み、ベッサラビア方面もにわかに安定してきたぞ」
「うおお!死ねや死ねや!」
「こうして休みない攻勢を続けた結果……」
「8月15日、ついに包囲下に置いた敵60個師団の殲滅を完了しました!孤立した味方も無事です!ウィーン始め占領された都市も奪還しました」
「敵側の損失は実に2.01M、我らは266kに留まっております。キルレシオは9:1程度です」
「いぃいいよぉっしゃあああああ!!!!」
「この大逆転勝利は『ドナウの奇跡』として全世界に喧伝されるべきでしょうね」
「デンマークからの遠征軍には全員マリア・テレジア勲章を授与しなければならないな」
「いやぁ…今回は本当に死ぬかと…。全身が総毛立って震えが止まりませんよ」
「さあ、攻めの手を緩めるな!後退した前線でも大反攻に転じ、帝国領から敵を完全に叩き出せ!」
「ドナウの奇跡を受けて戦意を喪失したのか、反攻を後押しするかのように、8月28日イタリア連邦が我が国に降伏しました」
「素晴らしい!イタリアに当てていたフランス遠征軍の9個師団はソ連との前線で使うから、すぐ再配置をかけろ」
「11月1日、激戦によって人的資源が払底してきたため、徴兵法を『大規模徴兵』に変更しました。これにより、全人口の5%までが徴兵の対象となり人的資源となります。1.54Mまで増加しました」
「臣民よ、銃を取って前線へ!」
「現在の戦況ですが、流れは完全に我が方にあります。帝国領から敵を完全に駆逐し、オデッサを再度占領しました。敵を5個師団ほど追加で包囲殲滅しています」
「よろしい。もう11月だ、航空機はじめ装備の消耗も激しいし、冬季は休もう…ん?」
「お、オストプロイセンに突如イギリス軍が強襲上陸!8個師団はいます!」
「助けるぞ!それに、装甲軍でこう…」
「北上すれば、東ドイツでまだ頑張っている敵を包囲出来る!50個師団はいるぞ!」
「殲滅出来れば本当に美味しいですよこれは…」
「無念ですが、取り逃がしました」
「我らが突破する前にイギリス軍が海に叩き落とされてしまったな…」
「我が軍にもっと装甲師団がいれば…悔しいですね」
「まだ15個師団しかないのを1箇所に集中して大切に運用している状態だからな…」
「我が国って急成長したとはいえ、元のICは48しかないですからね。ただでさえ装甲師団は贅沢な編制にしていますし、なかなか数が揃いません」
「本当なら装甲軍を3つ4つ作ってバンバン包囲殲滅していきたいのだがな」
「既に攻勢の衝力も失われましたし、年も暮れましたので攻勢はここまでとします。来年はまた5月から攻勢に出ますが、標的はやはり今回と同じく、東ドイツの敵の包囲殲滅となります」
「冬の間にソ連がどれだけ回復するかと思うと恐ろしいのだが、もう我らも限界に達している。貴重な人的資源を浪費しないためにも、休むべき時には休まねばなるまい」
「それでは、12月31日の戦況を貼って1942年はこれまでといたしましょう」
「損害はソ連2.75Mに対し我が国317kだ。キルレシオは9:1は割ってしまったが、まだ8:1以上を保っている」
「ソ連には到底及ばないが、我らも冬の間に出来るだけのことはしておこう」
「前線に貼り付けられる師団は、東ドイツとイタリアとアルバニアの降伏によって増えています。また、デンマーク遠征軍の6個師団だけとはいえ、緊急時の予備が出来たことは大きいです」
「何より、一正面となったことで中の人に大変指揮しやすくなった」
「それにしても、ソ連は確かに大粛清したはずなんですが、トゥハチェフスキーの奴生きてましたね」
「スキル7元帥で特技が4つくらいあったな。まったく恐ろしい」
「HoI2では大粛清したら必ず死ぬトゥハチェフスキーですが、HoI4ではそうとは限りません。ロコソフスキーとどちらか選ぶ形になっています」
「将軍としてはトゥハチェフスキーの方が優秀だが、ロコソフスキーには司令部スタッフとしての機甲師団強化の能力があるからな。実際プレイヤーとしても考え所なのだが、AIはトゥハチェフスキーを選ぶことの方が多い気がする」
「今回のAAR、中の人は一年ごとにプレイと執筆を繰り返していて、月一のオートセーブだけしてやり直しも一切していなくて、テストプレイすらしていないから、先のことは一切分からないのだが…」
「今年は本当にヒヤっとしましたね。棺桶におでこくらいまで突っ込んでましたよ」
「戦線に大穴が空いていて、ウィーンを一時占領された時は頭が真っ白になった」
「しかし、このドキドキ感が読者様にも伝わっていればとても幸いです」
「今年を上回る危機なんかそうそう無いと思うが…そういうこと言ってると来年が怖いな?」
「正直なところ、現時点の中の人にも全く分かっておりません。来年度に大量に増殖したソ連軍の津波に飲まれるかも知れませんし、このままあっさり勝ててしまうかも知れません。戦線を見る限り、どちらの可能性も否定出来ないのです」
「とにかく、来年度にも楽しみを残せて良かったではないか。そのくらいの考えでちょうど良かろう」
「そういうことです。では、次回の1943年もお楽しみに!」
「願わくば、この二重帝国の栄光の軌跡を共に最後まで見届けてほしい」
HoI4二重帝国AAR⑧1941年
「あけましておめでとう。ちょうど念願の空母が完成していたので、『Franz Ⅰ』と命名しておいたぞ」
「公募により、昔のハプスブルク家の君主から頂戴しました。フランツ1世て誰だっけ?という方は、マリア・テレジアの夫といえば伝わるかと思います」
「1月16日、イギリスがイタリアのタラントとシチリア島に上陸を敢行しました」
「数日で海に叩き落とされたが…イギリス十八番の奇襲上陸だな。イタリアはタラントを空襲どころか占領されて恥ずかしくないの?」
「プーラをギリシャに占領された私達が言えたことではないんですが…」
「3月21日、徴兵法を『限定的徴兵』に変更し、徴兵の割合を2.5%まで上げた。なお、NF『軍国主義』で1.0%プラスされているから合計3.5%だな。これで人的資源が増えたぞ」
「4月29日、泥濘期が終わったのかドイツ軍が戦線南部で攻勢に出て、戦線を突破して瞬く間にオデッサまで占領しました」
「これにより我が国とソ連の陸上の国境は無くなりました。が、輸入は黒海経由で行なわれるので問題ありません」
「中央や北方では少し後退したようだが、さすがドイツ軍。速いな」
「ですが、この形だと分断されて突出した南方に包囲殲滅の危険がありませんか?」
「41年5月の絶頂期ドイツ軍を信じろ」
「6月13日、シナイ半島に押し込まれていたはずのイギリスが一転攻勢に出て、スエズ運河を奪還していました。まだまだ分かりませんね」
「イタリアは何をやってるんだ…」
「6月28日、新型戦車の研究が完了しました。主砲、エンジン、装甲を改良した上で大量生産に入ります」
「1941年だと…史実ハンガリーのトゥラーンやドイツ占領下チェコのT-25とかだろうか?妄想が膨らむな」
「7月11日、緊急事態です。懸念通りにドイツ軍の突出した南方軍集団推定30個師団が、ソ連軍によりご丁寧にも二分割されて包囲されました。脱出は絶望的かと…」
「…早いが、勝負あったな。ただちに全軍を対ソ戦配置から対独戦配置へ移行!攻勢計画を立案しろ!宣戦の正当化工作を始めろ!」
「オーバーシュレージエン、ニーダーシュレージエン両州の奪還を名目に正当化を始めました。オーストリア継承戦争以前の国境に戻してやりましょう」
「お前はいつの時代に生きているんだ?」
「7月13日、総力戦に備え海軍総司令官にホルティ・ミクローシュを任命しました。言わずと知れた史実ハンガリーの『摂政』ですな」
「空母艦載機が強化されるトラップもいたのだが、まだ空母が1隻しかいないので、主力艦直衛艦が強化されるホルティをチョイスした」
「あっ、この人見たことあると思ったら、この前シェーンブルンで捕まった不審者じゃないですか」
「これでもハンガリーの国民的英雄なんだから許してやれ」
「クソッタレめ!本当に大粛清やったんだろうな奴らは⁉︎」
「さらに23日にはシュレージエンまで赤軍が侵入。これにより正当化工作がパアになってしまいました。宣戦が遅れます」
「ええいこのっ、なら今度はバイエルンだ。文化的に近しいバイエルンは我らオーストリアに統合されるべきである!」
「9月1日、国粋スペインが枢軸に加盟。おそらくヨーロッパが赤化してしまうのではないかとの危機感を覚えたのでしょうな」
「8日後、英領ジブラルタルが陥落。イギリスもやっとスエズを奪還したらこれだ、踏んだり蹴ったりというところだな」
「9月14日、正当化工作が終了したので即日ドイツに宣戦布告しました」
「用意できた兵力は、陸軍103個師団に空軍7個航空艦隊(戦闘機2100/CAS700)だ。これをドイツ国境と、イタリア国境と、旧アルバニアのイタリア国境と、万一の参戦に備えてトルコ国境にも配置した。また、陸軍の装甲軍はベルリンを直撃するためにズデーテンラント北側に配置した」
「ハイエナする以上、せめてベルリンは取っておきたいところだな。講和会議でソ連にあまり大きい顔をさせるわけにはいかない」
「赤軍は既にベルリン目前まで迫っています。横取り出来るかは怪しいところです」
「ドイツ!漢気を見せろ!」
「海軍の水上艦隊と潜水艦隊にはアドリア海と地中海東部を戦闘哨戒してもらいます」
「それでは…進撃開始!徴兵逃れの美大落ちを介錯してやろう!」
「宣戦の直後、ドイツと戦争状態になったことにより連合陣営からオファーが来たので受諾しました」
「断る理由がないからな」
「9月22日、我が国の装甲師団が赤軍より先にベルリンに入城しました!ライヒスタークには二重帝国旗が翻っております!」
「やったぜ(ガッツポ)」
「そのまま我が軍はバルト海まで打通、赤軍からドイツを切り離して蓋をしました!後は切り取り放題です」
「我らが装甲師団は優秀だな!手塩にかけて育てた甲斐があったというものだ」
「西部では連合軍がオランダに大挙上陸しています。このままドイツ軍をサンドイッチにしてやりましょう」
「10月6日、コペンハーゲンを解放」
「10月11日、ローマを占領しました」
「翌日、ベルリンとローマの占領を受けて戦後の体制を決めるためヤルタ会談が行われました」
「我らの席はないのか!ベルリンとローマに翻りしはどこの旗だと思っている!」
「10月26日、ドイツが降伏しました。対象の名義はスターリンになっています」
「ぬう…ベルリンを含むドイツ本土の8割方は我が軍が占領しているのに…」
「ほとんどロクに抵抗されていませんから、ソ連がドイツ軍を全部引き受けてくれたのでしょう。仕方ないことかと」
「11月7日、マドリードで講和会議が招集されました!」
「はあ?まだ日本がいるだろ⁉︎」
「よく分かりませんが…とにかく講和です。発言力となる戦勝点はソ連が1位、我が国が2位のようです」
「ちょうど7週間くらいで終わったな。普墺戦争のお返しだドイツめ」
「まぁ短期で済んで良かったです。確認したところ、何故か日本とその他おまけの国々は枢軸から離脱、戦争は未だ続行されています」
「まだ日本と戦争は続くのだな。しかしドイツ=ベルギー戦争ということは、ポーランドは連合入りしていなかったのかな?」
「よく分かりませんね。よく確認していなかった私の手落ちです。申し訳ありません」
「しかし、我らの損害は僅かに29k(29,000人)か。ドイツを食ったのに損害はバルカン戦役と大差ないではないか。素晴らしいな」
「さて、ソ連の要求は…ベルリンを中心とした傀儡の東ドイツの建国、イタリアの海外領土を傀儡として独立、イタリアとスペインの傀儡化、イタリアがフランスから奪ったサヴォイとプロヴァンスとコルシカ島のソ連への割譲か」
「地中海がアカに席捲されてしまいますし、我が国と西欧との間に楔を打ち込まれましたな…しかもアルバニアが取られたのは戦略的に痛いです」
「まぁ、対枢軸戦が終わってからも我が国と連合で利害が一致し続けられるというのは良かったのではないかな?」
「それは一理ありますね。次は連合と一緒に対ソ戦をすることはこれで確定です」
「ところで、スペインは可哀想にな…欧州赤化を食い止めたい一心で参戦したら、ロクに戦わない内に自分が赤化させられるとは…」
「それで我が国の要求ですが、如何なさいますか?」
「ドイツ・イタリアへの意趣返し!この一点につきる」
「具体的には?」
「ドイツからは文化的に近しいオーバーバイエルン、ニーダーバイエルンの両州と、普墺戦争で争点になったシュレスヴィヒ=ホルシュタインを割譲させ、イタリアからはオーストリアの旧領ヴェネト州とロンバルディア州を割譲させる!」
「いつの時代に生きてるんだお前は!講和会議の他国の連中もドン引きするわ!」
「いーや!これは完全に正当な要求である!ポチッとな!」
「たまげたなぁ…」
「それでは、戦後のマドリード体制を確認していきたいと思う」
「まずはドイツからだ。民主化された西ドイツと、共産化された東ドイツに分断され、バイエルンとシュレスヴィヒは我が国が頂戴した」
「次にポーランドだ。ポーランドは復活出来ず、東側はソ連に占領され、ダンツィヒ(グダニスク)をはじめ西側の一部になんと英領ポーランドが作られたぞ。なお南部のガリツィアに関しては元々帝国領だ」
「ちょっと謎ですよねこれは」
「ポーランド分割(2年ぶり6回目)」
「これは…もう二度とポーランドは復活できないでしょうねぇ…」
「ポーランドは地理的概念だから」
「次に、地中海方面です」
「自由フランスが復活しましたが、プロヴァンス、サヴォイ、コルシカ島がソ連領となりました」
「イタリア、スペイン、リビア、エチオピア、アルバニアがソ連の傀儡となったな。リビアのことだが、ソビエト領北アフリカなんて国は初めて見たぞ…」
「また、イタリアからヴェネトとロンバルディアを返してもらったな。旧領を回復して気持ちええんじゃ」
「またこの人は…」
「それでは、さらにパワーアップした帝国の姿を見て今年を終わろうか」
「ICは236まで成長しました。5年前が48だったと思うと感慨深いですね」
「立派になったものだ。これからさらに発展させていかねばならんな」
「来年は日本までの遠征と、将来の対ソ戦を準備することになるでしょう」
「それでは皆さん、お元気で!」